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全ての問題を超える鍵-マリッジバランス-
第1回 一瞬のうちに変わった社会の人間関係
第1回 一瞬のうちに変わった社会の人間関係
職場の悩み、そのホンネは人間関係?
嫌みな上司、意地悪な先輩、職場の雰囲気に溶け込めない、どうもあの人だけは受け入れられない……。
あなたの職場の人間関係はうまくいっていますか?
家庭でも社会でも、人との関わりを避けて通ることはできませんが、特に仕事をしてお金をいただく職場では、あの上司の下では働きたくない、あの人とは組みたくないなど、自分の好き嫌いで人間関係は築けません。
職場にはいろいろなタイプの人がいて上下関係があり、その中で協調性やチームワークが求められるため、人間関係が大きなウエートを占めます。
公共の相談窓口に寄せられる最も多い相談内容は「職場における人間関係の悩み」だそうです。
また、職場での悩みのもとは仕事というよりも、実は人間関係のトラブルにあることが多く、退職理由も労働条件よりも人間関係の不満で仕事をやめる人が大多数だそうです。
しかし、転職をしてもその悩みがなくなるでしょうか。
環境を変えてもイヤな上司、意地悪な先輩は姿形を変えて、また自分の目の前に登場してきます。
最初のうちはやっていけても、次第にうまくいかなくなる、毎日会社に行くのが憂鬱、精神的ストレスで体の調子が悪い。
あなたも、そんな経験は無いでしょうか?
でも、大丈夫です。 あの上司が、あの先輩が、あの同僚が……。
今まであなたを悩ませていた相手が、みるみる別人のように変容していきます。
相手を変えようとか、自分が変わろうとすることもなく、自分自身を知るだけで人間関係の問題を終わらせることができるのです。
相手に“感じるもの”から自分のパターンを知る
自分と合う人、合わない人はどこにでもいますが、相手の何に抵抗を感じているのかを見ることで、自分の人間関係のパターンを知ることができます。
実例を挙げましょう。
口うるさくなかなか認めてくれない上司との関係に悩む男性(Aさん)がいました。
ここでポイントとなるのが“相手に感じるもの”です。
Aさんは、上司に“うるさく言われる”ことや“認めてもらえない”ことに対して“束縛と支配”を感じました。
ここにAさんの人間関係の問題の原因があります。
これは一般的な人間の思考パターンですが、Aさんは、会社の人間関係でも“束縛と支配”を感じさせる相手を引き寄せてしまうと言うことなのです。
つまり、職場でのあなたのネックになっている人は、実はあなた自身が作り出しているのです。
では、思考パターンを完全に終わらせるにはどうすればいいのでしょう? その方法が自分自身を知ることにあります。
自分自身を知ると言っても、皆さんが自分だと思っている自分とはまったく違い、本当の自分とはこれまで見たこともない“自分の内側”です。
父と母の融合(結婚)から生まれている私たちの中には、同性と異性である男性性(父の遺伝子情報)と女性性(母の遺伝子情報)が内在しています。
私たちが住んでいるこの世界は、自分の内側の情報が自分の周りの外側の世界に映し出されるというシステムになっていて、例えば男の人の場合、女性を見る時は内側の女性性が基準となり、男性を見る時は内側の男性性が基準になります。
上司に“束縛と支配”を感じて抵抗するのは、内側の男性性の基準がそこにあるからです。
Aさんは、口うるさく、どんなに頑張っても認めてもらえない父親に、子供の頃から抑圧された窮屈感を感じていたことから、父親との関係性を上司と繰り返していたことが解りました。
また、「反対に自分が支配していると感じることはないか」と聞くと、「ハッ」とした表情で、家族に対して自分が父親と同じことをしていたと気づきました。
しかし一方、厳しい父親のお陰で順調に進学や就職もでき、上司との関係性では、お尻を叩かれながらも業績は上がっています。
このように、束縛や支配にもプラス面はあり、要するにAさんは支配される環境で自分を活かして来た――「自分でこのプログラムを選んでいる」ということです。

マリッジバランスで問題を超える
普段、私たちは束縛や支配を嫌い自由を求めるため、支配を感じる相手から逃げようとします。
このような関係性が繰り返されてしまうのは“二元性の仕組み”に取り込まれているからです。
支配と自由、プラスとマイナス、男と女、表と裏、この世のすべてが二極に分かれて存在しているように見えるのは、一方があるからもう片方を知ることができるというように、思考が元々ひとつのものを二つに分けることで理解しているからです。
しかし私たちは二つをまったく別のものとして捉え、こっちは良い、あっちは悪いとジャッジをして片方だけにエネルギーを注ぐため、その内側のアンバランスさが外側の世界に問題となる現象を作り出しているのです。
支配を嫌い、自由を求めれば、現実には求めた分だけ抑圧した支配が反転し、現象化されてしまします。
しかし、自分の中にある二極を上から同時に見るような感覚で捉えた時、あなたは二元性の仕組みから抜け出すことができます。
これをマリッジバランス(内なる結婚)と言います。
相手にされていると感じることは、実は自分が自分に対してしていることなのです。
自分で自分のことを束縛し、自分のことを認めていなかった。
そのことに気づいたAさんの人間関係は全く変わってしまい、今では上司に信頼され、仕事もスムーズにいっているそうです。
私たちは人間関係が苦しくなると新しい関係性を求めますが、自分自身を知らないうちは、どこへ行っても同じ悩みが浮上してきます。
今、職場に苦手な人がいる方は、自分を知るチャンスだという感覚で、ぜひ「マリッジバランス」にトライしてください。
その人との関係性を超えることで、いろんなシーンにおいて、あなたの人間関係はまったく新しいものに変わっていくでしょう。